大石内蔵助がむすこ、主税に、伝授する「実践的プロジェクトマネジメントの極意」
【ステークホルダー・マネジメント計画 その4(計画書の完成)】の①
主税: 父上! 先の主だった方々との会議でのご指摘事項なども反映させた「ステークホルダー・マネジメント計画書」が完成いたしましたので、ご報告にあがりました。
もし、父上のご都合がよろしければ、早速その内容を説明させて頂きとう存じます。
内蔵助:おお、そうか、完成したか。
説明してくれ。
主税: 先ずその記載事項をざっと説明差し上げたうえで、この計画のエッセンスを説明させいただきたく存じます。
記載事項についてで、ございますが、「ステークホルダー登録簿」についてはこれまで何度もご説明させて頂いておりますので、それ以外の部分を主に説明させて頂きます。
・主要なステークホルダーの「望ましい」関与度および「現在」の関与度
・ステークホルダーへの変化の範囲と影響
・ステークホルダー間の特定された相互関係と重なりの可能性
・現在のプロジェクト・フェーズにおけるステークホルダーのコミュニケーション要求事項
・ステークホルダーに配布する情報。言語、書式、内容、詳細度を含む
・その情報を配布する理由と、ステークホルダーの関与に及ぼすと予想される影響
・必要とされる情報をステークホルダーに配布する時間枠と頻度
・プロジェクトの進捗と進展にともなってステークホルダー・マネジメント計画書を更新し、洗練する方法
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【ステークホルダー・マネジメント計画 その4】の②
内蔵助:うむ! ずいぶん充実した項目になったな。
して、計画のエッセンスはどうじゃ?
既に一度説明を受けているので、変更箇所および関連するところだけでよいぞ。
簡潔にな。
主税: 畏まりました。
それでは、チームメンバーに関するマネジメントについて説明致します。
先ず、江戸急進派に関するマネジメントでございます。
・関与度:
望ましい関与度はプロジェクト方針に沿った活動、すなわち「支持」でございますが、残念ながら、単独討ち入りを叫んでおり、厳しく「抵抗」をしている状態にあります。
我々のプロジェクトから飛び出て、江戸急進派単独での討ち入りを行った場合、失敗する可能性が高こうございます。
そうなった場合、旧赤穂藩士全員に塁が及ぶことは疑いの余地がないものと存じます。
また、残念ながら先の上方漸進派メンバーによる2度の説得もうまく行ってはおりませぬ。
それら使者には、江戸急進派を説得すべく父上のこのプロジェクト成功への戦略、戦術を申し伝えたはずでございますが、逆に説得されている始末。
やはりここは、プロジェクト・マネジャーである父上が直接説得するしか方法は無いものと存じます。
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【ステークホルダー・マネジメント計画 その4】の③
主税:そして、その討ち入りの時期が、いつ決まるかだけでもお伝えしないとこれまで以上に厳しい辛苦に耐えることは出来ないでしょう。
一刻の猶予もならないものと存じます。直ちに、江戸に旅立つ必要がございます。
もしも、説得がうまく行かなかった事態が発生した場合は、素早い方針変更及び計画の見直しを行えるよう、あらかじめその手続きについても記載しておきました。
内蔵助:よくわかった。
もちろん、プロジェクト・スケジュールおよびステークホルダー登録簿も更新しておいたのだな。
主税: さようにござりまする。
【ステークホルダー・マネジメント計画 その4】 おわり
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