大石内蔵助がその息子主税(ちから)に伝授する「実践的プロジェクトマネジメントの極意」【ステークホルダー・エンゲージメント その5】

大石内蔵助がむすこ、主税に、伝授する「実践的プロジェクトマネジメントの極意」

【ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント その5(エンゲージメント結果を文書化する)】の①



<元禄14年11月2日 江戸会議開催>

主税: 父上、 会議が無事おわりほっとしました。

堀部安兵衛さま以下江戸の方々の、いち日も殿のご無念を晴らしたいお気持ちが、胸に染み入るように判りました。

私も、安兵衛さまのお話を伺っている間に、一刻もはやく吉良さまを打たねばという気持ちが沸いてきて大変でした。

内蔵助:主税、 わしとて同じ気持ちじゃった。

もし、わしがプロジェクト・マネジャーで無かったら、安兵衛の説得に負けたかもしれぬ。

わが気持ちを抑えるのが辛いぐらいであった。

だがしかし、わしはこのプロジェクトを成功に導く責任がある。

今は亡き、内匠頭さま、そして瑤泉院さま、浅野家の旧家臣の方々。

そしてなりよりも、江戸幕府の理不尽な裁きにより家を失い浪人の身となってその死に場所を求めている武士の方々の無念を晴らすためにも、このプロジェクトは失敗を許されない。

その日が来るまで辛抱じゃ。 主税。

主税: はい、父上。

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【ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント その5】の②


内蔵助:
主税、この会議での安兵衛らに約束したこと、また、上方に戻ってから我々がなすべきこと、一切書き漏らさぬようお願いする。

そして、全体の計画の変更の必要性も出てきた。

やはり、吉良側、特に上杉家の動きは気になる。彼らが放つ間者にも気をつけなければならない。
既に、我々のそばにやってきているやもしれぬ。

くれぐれも、情報漏えいには気をつけるよう頼むぞ。場合によっては、彼らの動きを把握するために、こちらから浪士を潜入させなければならぬ、やもしれぬ。

さらには、計画書の更新も忘れずにたのむ。上方に帰ってからチームのみんなに状況の報告と、計画書の変更箇所を伝える必要があるからな。

また、それ以外のプロジェクト文書、例えば、「ステークホルダー登録簿」の更新も忘れずにたのむぞ。

主税: 畏まりました。

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【ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント その5】の③



<主税は早速、江戸会議で発生した指摘事項、約束事から発生する内容を、計画書、またはプロジェクト文書の更新をおこなった。そして、以下情報も「組織のプロセス資産」として記録を行うことにした>

・ステークホルダーへの通知事項
解決済課題、承認済の変更、一般的なプロジェクト状況

・会議報告書
プロジェクト状況、教訓、課題ログなど

・上方漸進派への説明(プレゼンテーション)

・プロジェクト記録
書状、メモ、議事録など

・ステークホルダーからのフィードバック
プロジェクト運営改善に関する情報
・教訓の文書化

直面した課題の根本原因分析、選択された是正処置の論拠、ステークホルダー・マネジメントに関する他の種類の教訓

【ステークホルダー・エンゲージメント その5】おわり

 

 

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