大石内蔵助がその息子主税(ちから)に伝授する「実践的プロジェクトマネジメントの極意」【ステークホルダー・エンゲージメント その4】

大石内蔵助がむすこ、主税に、伝授する「実践的プロジェクトマネジメントの極意」

【ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント その4(抵抗勢力へのエンゲージメント(2))】の①



主税: (ひとりごと)

さて、「江戸会議」の日程もきまり、三日後には江戸に向けて立つことになる。首尾よく浪士を説得したいもだが、果たして上手く行くかどうか。

江戸急進派は相当怒っているようだ。それに、勢いがある。

上方漸進派の優秀な面々が逆に説得されるほどだ。

よほど何か良い戦略をもって望まないと彼らを説き伏せることができぬかもしれぬ。。。。
どうしたものか。。。

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【ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント その4】の②



内蔵助:主税、 何をぶつぶつ言っておるのじゃ。
江戸出立の準備は出来たのか?

主税: あっ、父上、 私のひとりごとがお聞こえになりましたか。お恥ずかしゅうございます。

父上の乗られる馬も含めて、出立の準備は整いましてござりまする。

ただ、本当に江戸急進派を説得できるのか、思い悩んでおりました。

やはり、会議の進め方も含めてひと工夫を要するのではないかと考えていた次第でございますが、残念ながら良い方法が浮かびませぬ。

内蔵助:うむ、 彼らを説得するのは容易ではないと、わしも考えておる。
だがしかし、やらなければならない。

儂はのぉ、 主税。
殿の無念を晴らすために始めたこのプロジェクトの意義、目的を彼らに率直にかつ、真心を込めて説明し理解を求めるしかないと考えておる。
したがって、次に述べるようなことを考えて会議に臨むつもりじゃ。

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【ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント その4】の③

 

内蔵助:

・信頼関係を今いちど築きなおす
わしのこれまでの振る舞いも含めて説明するつもりじゃ

・江戸急進派と上方漸進派のコンフリクトの解消
結束力を高めることの重要性を訴えたいと考えている

・積極的傾聴
何よりもまず、彼らの言い分、思いを聞くことが大事だと思っておる

・変化への抵抗への克服
これまで辛苦に耐え抜いてきた江戸急進派の面々には、これより先もさらなる苦労をかけることになる。
だが、事を急いてはこれまでの苦労が水の泡になることを説くつもりじゃ。
そして、彼らの気持ちがおさまったのを見て、再度我々の目標達成に向けてのマネジメントを行うことにしている。

すなわち、

・プロジェクト目標に向けてのコンセンサス形成の促進

・プロジェクトを支援するよう人々への働きかけ

・プロジェクトのニーズを満たすための合意への交渉

・プロジェクトの成果受入れに向け、組織の振る舞いを変容させること

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【ステークホルダー・エンゲージメント・マネジメント その4】の④


内蔵助:
良いか、主税、 人を動かすためには、その心を先ず動かさなければならない。

その心を動かすためには、真心をもって接することが重要である。

つまり、説得あるいは理解を求める人の立場となって、そのアプローチを考えなければならない。

たとえ、 組織の中で、指揮命令権があったとしても、相手にとって不利益となる場合は特に、相手の心をないがしろにして進めるべきではない。

一時期その命令に従ったとしても、必ずしっぺ返しが来ることになり、後悔することになる。

ということだ、主税。

主税: 判りました。

なるほど、 先の盟約を交わす時も、父上は、決して強制されませんでした。その理由が、いまやっと判りました。

貴重なご教授、大変ありがたく存じます。

 

【ステークホルダー・エンゲージメント その4】おわり

 

 

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